みなさんこんにちは。神戸市でイチジク農家として、4月から独立就農予定のエラです。
このブログをご覧になっているということはおそらく、「今の仕事を辞めて農業をやってみたいな」と少なからず感じていらっしゃるのかと思います。
しかし、インターネット上にある情報からでは 一体何から始めていいのかわからない、分かりづらい ということがあるかと思います。「脱サラして農業を始めるために、具体的にはどのような準備をすればいいのか」ということについては、今後詳しくお話していこうと思うのですが、今回はまず、どのような形で農業を始めるかということについての、基本的な流れについて見ていこうと思います。
前置き
まず初めに申し上げておきたいのは、 農業を始めるための流れというのは、本当に十人十色で、人によって道のりは様々、ということです。農業高校、農業大学校を経て農業法人にて経験を積み、満を持して独立就農、という方もいれば、いきなり就農希望の土地に引っ越して、周りの農家さんの助けをかりながら就農、といった方もいたり、本当に千差万別です。
ですので、今回は最もベーシックな流れ、 スタンダードな流れというものをご紹介しようと思います。
もっとも、「何を持ってスタンダードなのか」ということについても議論は分かれるかと思いますので、今回ご紹介するスタンダードな流れというのも、私個人の主観に基づくものであること予めをご了承ください。
また、今回ご紹介する流れについては「 将来的に独立就農したいと考えている方」を想定しています。独立就農ではなく雇用就農、という パターンももちろんありますが、 今回は 独立就農について書いていきます。
1.就農相談窓口に相談に行く
各都道府県には 、就農相談窓口と呼ばれる機関が設置されています。これはその名のとおり、就農をするための相談、農業を始めるための相談を聞いてくれる機関となっています。
都道府県の就農相談窓口 https://www.be-farmer.jp/consult/session/pref
農業を始める際の失敗のあるあるとして「いきなり市町村の農政課( もしくは似たような名前の部署)にいきなり電話をかける 、突撃訪問する」というものがありますが、農業を始めるための相談をする、つまり就農相談する際には 、この就農支援機関に足を運ぶ又は電話をするのが最も適切かと思われます。
注意点
市町村の農業関連の部署に突撃しても、門前払いというケースが多々見られます。これは、質問する側の準備が不足しているというパターンが多いように思います。「自分は何を作りたいのか」「どんな農業をしたいのか」「どの場所で就農したいのか」等など、基本的なことが定まっていないまま、つまり「何が分からないのか分からない」状態で突撃して撃沈、というパターンです。
私も同じように 農業関連の部署に突撃電話をして、「一体何が作りたいんですか」と聞かれ、何も答えられないという経験をしました。今思うと電話をガチャ切りされても仕方なかったかと思います( 対応してくださった職員の方、温かく対応してくださりありがとうございました)。
しっかりと準備をしていくということについては 就農相談機関に相談する際も同じことなのですが、 いずれにせよ、 一番最初に関わりをもつのはこの就農相談機関というのが ベターかと思われます。
2.研修を受ける
就農支援機関に相談し、ある程度自分の計画について見通しが立ってきたら、研修機関等において研修を受けていきます。「どこで研修を受けるべきか」ということについては、どんな作物を栽培したいのか、どこで就農したいのか、どんな農業を目指すのか等によって答えが様々あります。
たとえば、「就農準備資金」という 補助金を受けたいと思っている方については この就農準備資金の対象機関となっている研修先で研修を受ける必要がありますし、そうでないパターンであっても、たとえば「農業法人にて研修」や「個人の農家さんのもとで研修」、農業大学校などのいわゆる「学校的な位置づけの機関で研修」等、本当に選択肢はたくさんあります。
就農相談機関と相談しながら、どこで研修をするのが一番良いのか決めていく必要があります。
3.農地を見つける
研修を終えることができたとしても、(独立就農ということであれば)農地がなければそもそも農業を始めることができません。厳密にいえば、農地の契約を結ぶのは研修中でも研修前でも構わないのですが、ただし市町村によっては、農地を借りる際に「研修を〇〇時間修了していること」等の条件が付されることがあります。たとえば私が就農する神戸市においては、「農地の権利取得を希望する新規就農者等は、まずは行政又はそれに準ずる機関の就農研修等を原則1年間以上(1,200時間以上)受講する必要があります。」とされています。
各市町村の決まりを十分確認したうえで、農地の権利取得を行う必要があります。
4. 就農する
研修期間が終了し、権利取得できている農地があれば、いよいよ独立就農ということになります。
まとめ
私が考える最もスタンダードな脱サラ農業の流れは以下のとおりです。
就農相談窓口に相談に行く → 研修を受ける → 農地をみつける → 独立就農する
そもそもなぜ私がこの記事を書いたかというと、1~3をすっとばして、「農業は人手不足だから、農業をやりたいといえばすぐにでも始められるだろう!」と思っていらっしゃる方が案外多いからです。先述のような、農業関連の部署に「農業始めたいんですがどうすればいいですか!」と突撃するパターンが散見されるというのはそういった先入観からだと思います。
もちろん市町村によっては、研修なしでいきなり農業を始められるところもあるかもしれませんが、あくまでスタンダードな道のりとして、「農業を始めるためにはこのようなステップが必要なんだ」と漠然とでも理解していただければ幸いです。
じゃあ、就農相談窓口に突撃しまーす!
と思ったあなた、ちょっと待ってください。もし今のあなたが「分からないことが分からない」状態なのであれば、就農相談窓口にいくのはまだ少し早いかもしれません。今回ご紹介したのはあくまで「脱サラ農業のための基本的な流れ」であり、「就農相談窓口に相談する」前に準備しておいたほうがいいことが実はたくさんあります。
その詳細については、また次回以降に詳しくご紹介していこうと思います。
それではまた次回!
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